post
Pocket

小和瀬望帆 (こわせ みほ) さんからも「アメリカの大学進学を決断した理由、その過程」のコメントをもらいました。

彼女は、鵜沢周平くんの母校でもある、Ohio State University に留学中で、来学期 (9月) に3年生になります。ちょうど彼女の留学生活の半分が過ぎましたが(姉の私から見ていても)、テニスの技術面も、人間としても、とても成長したと思っています。

“私は、小さい頃からずっとプロになるのが目標だったので、「アメリカの大学に進学する」というのはまず考えてもいませんでした。 姉 (小和瀬 麻帆) からは、アメリカの大学の良い所など色々と聞いていましたが、勉強が大変な事も聞いていたので、私の中では「アメリカ大学進学=プロを諦める」というイメージで、姉の話もあまり興味を持って聞きませんでした。 英語はもともと好きで、将来話せるようになりたいなと思ってはいましたが、アメリカ大学進学は私には到底無理だろうと勝手に決めつけていた部分もありました。

ただ、高校2年生ぐらいの頃、このまま高校卒業後にプロになっても厳しいのではないかと思い始め、日本の大学進学も考えましたが、ジュニアの頃からずっと知ってる人達とまた試合をするよりも、新しい環境でチャレンジしたいな、と思っていました。何よりも、小さい頃からの夢だった「テニスプロ」になるというのは諦めたくなくて、その当時は将来の事について相当悩んでいました。

そんな時に、あるコーチからOhio State Universityの見学を勧められました。 正直、その時はまだアメリカに行く事は考えていませんでしたが、行くだけは行ってみようと思い、高校3年生の冬に見学しにいきました。当時の大学のアシスタントコーチがとても熱心で、見学前も大学の話を電話やメールなどで頻繁にしてくれたので、私も少しずつ興味が湧いてきました。

実際に見学に行ってまず驚いたのは、大学の規模の大きさです。私の大学はアメリカでも2番目に規模も大きい大学なので、あまりの広さに衝撃を受けました。大学のコーチには、まだプロになるのを諦められない事や、英語に自信がない事などを正直に伝えました。コーチからは、プロになりたい選手は大学を休学して、プロ引退後にスカラシップを再開させて大学に戻れる事や、いつでも1対1の家庭教師を受けられる事など、アスリートを「勉強の面」でも、「パフォーマンスの面」でもサポートするプログラムが充実している事の説明を受け、大変感銘を受けました。

もう一つ衝撃を受けたのは、アメリカの大学のスポーツの注目度です。特にフットボールやバスケットボールは大学の中で一番の行事で、何万人もの人々が1試合のために集まります。私が見学に行った時は、ちょうど最大のライバルであるミシガン大学とのフットボールの試合があり、人々の熱狂的な姿に本当にびっくりました。

姉からはアメリカの大学の話をたくさん聞いていましたが、自分自身の目で実際にアメリカの大学を見れたことで、大変刺激を受け、このチャンスは逃せないなと確信しました。 帰国後にすぐに両親とも相談し、自分の人生において「大きな財産になる経験ができる」と思い、約一か月後にはアメリカ大学進学を決断をしました。

また、こちらではスポーツ心理が普及していて、私も月に数回、多いときは週1でスポーツ心理のカウンセリングを無料で受けています。日本では心理学と聞くと、「精神的に病的な人が受けるもの」というイメージもあるかと思いますが、こちらでは逆にコーチ達に受けるのを勧められます。その社会的な理解もあり、今の私には、自分の考え方や悩みごとなどを相談する、とても良い機会になっています。 さらに、私の大学では栄養学にも力を入れていて、自分に合う食生活などの相談がいつでもできるようになっています。

このように充実したプログラムは、プロでもなかなか受けられないのではないかと思いますし、何よりも、コーチ、アカデミックアドバイザーをはじめ、私に関わる周りの人達が全力でサポートしてくださるので、勉強もテニスも自分のベストが尽くせる最高の環境が整っています。

ちょうどこの夏で、アメリカに来てから2年が経ちますが、ここに来る決断をして本当に正解だったなと思っています。もちろん勉強など大変なことはたくさんありますが、何よりも毎日が充実していて楽しいです。毎日色々と学ぶことがあり、2年前のシャイで狭い視野しか持てていなかった自分と比べるとだいぶ成長したと思います。

私も姉も、アメリカで「とても充実した素晴らしい経験」をさせてもらっているので、テニスに限らず、他のスポーツでも日本からもっとアメリカに留学する人が増えてくれれば良いなと思っています。また、アメリカ大学進学を考えている人は、実際に見学に行くことで、すごく良い刺激を受けると思います。

色々と書きましたが、少しでもアメリカの大学の良さを伝えることができたら嬉しいです。私や姉の経験が、「もっと多くの日本人がアメリカの大学にチャレンジするきっかけ」になれば良いなと思っています。

S__28680198